@article{oai:senshu-u.repo.nii.ac.jp:00000898, author = {中島, 巖}, issue = {3}, journal = {専修経済学論集}, month = {Mar}, note = {市場に齟齬をきたす,すなわち需要と供給の不一致をもたらす要因として,価格の一時的非弾力性,需要の不確実性,そして,生産ラグが指摘されてきたごとくである。生産ラグのうち,とりわけ,引渡しラグ,すなわち,商品の発注と納入の間の時間差の存在は,それが価格に反映されるところでは,時間差のばらつきは価格のばらつきを意味し,それは,価格変動を嫌う消費者ないし需要者にとって商品の有効性自体の低下と同義となる。 しかるに,資本財に関する引渡しラグは,資本設備の発注,その納入,設置,さらに操作等に関する労働者の教育を経て稼動化され,資本として生産に寄与し始めるまでの時間差を表わし,資本財市場の際立った特徴を構成する。かかる資本財に関する引渡しラグについては,生産現場の経験を経た実証作業の蓄積が先行し,1970年代に入って漸く理論的対応が試みられるに至った。 以下では,引渡しラグを含む問題の動学性を考慮し,ラグをともなう制御変数をもつ最適化問題に対する最適制御の手法の適用可能性をまず確認する。 次いで,引渡しラグに直面する企業の資本財に対する投資決定に際し,投資計画作成にともなう計画費用と設置,教育にともなう設置費用とから成る投資の調整費用の概念を導入し,一定のラグ期間の下での投資,資本ストックの最適時間経路を導く。 最後に,上の均衡時間経路が定常解に収束する鞍点安定性をもつことが確かめられる。さらに,ラグ期間をパラメータとみなすとき,ラグの拡大は定常解を中心として均衡時間経路を反時計周りに回転させることが確かめられる。また,ラグの拡大が均衡体系の定常解にHopf 分岐をもたらす可能性が例示される。}, pages = {69--89}, title = {引渡しラグ下の投資決定と安定性}, volume = {50}, year = {2016} }