@article{oai:senshu-u.repo.nii.ac.jp:00000897, author = {清水, 真志}, issue = {3}, journal = {専修経済学論集}, month = {Mar}, note = {資本概念を再検討する上で軽視できないのが,「それ自身に利子を生むものとしての資本」論の意義である。宇野は「それ自身に利子を生むものとしての資本」論のなかで,擬制資本価値の変動をつうじた受動的な価値増殖に言及している。この受動増殖を具体化したものが非姿態変換型の増殖方式であるが,それは宇野の想定とは逆に,利子=配当を生むという自動増殖とは異なるパターンの価値増殖と見なければならない。 資本循環論の意義についても注意を要する。姿態変換型と非姿態変換型とのどちらにも適用可能な資本規定を立てるためには,資本循環と姿態変換という二つの概念を区別する必要がある。しかしその区別は,宇野の資本循環論重視説でも,山口の資本循環論不要説でも曖昧になっている。それはまた,価値増殖と貨幣増加という二つの概念の区別が曖昧になる原因でもある。 非姿態変換型の価値増殖が本格化するのは,売買関係ではなく貸借関係の領域においてである。貨幣利子の確定された貨幣貸借だけが絶対的な貸借関係であるわけではない。先物取引は,不確定な商品利子の付いた商品貸借である。また資本投下自体も,自分で自分に資本を前貸しするという擬制的な貸借関係の形式をとる。貨幣価値の変動の影響をいったん遮断して前貸資本の価値を確定することが,資本の運動にとって本質的な意味をもつのである。}, pages = {25--67}, title = {資本概念の再検討(2) : 姿態変換・資本循環・資本前貸}, volume = {50}, year = {2016} }