@article{oai:senshu-u.repo.nii.ac.jp:00004437, author = {斉, 穎賢 and Qi, Ying Xian}, journal = {専修人間科学論集. 社会学篇, Bulletin of Senshu University school of human sciences. Sociology}, month = {Mar}, note = {本稿の目的は、モンゴル社会における「冗談関係」の特質を明らかにすることである。その特質を明らかにするに当たっては、A. R. Radcliffe-Brown(ラドクラフ=ブラウン)が指摘するアフリカのバンツー系社会に存在する「冗談関係(joking relationship)」・「忌避関係」(avoidance relationship)」を援用し、それらがモンゴル社会にも存在することを確認した上で、それが主に婚姻関係に織り込まれ、親族関係を円滑にしていることを、ホルチン・モンゴル社会の事例を通して解明する。第1章では、モンゴル人の婚姻関係についての先行研究を整理し、既存の研究ではモンゴル社会における「冗談関係」に対する解明が不十分であることを指摘した。第2章では、Radcliffe-Brownの研究に依拠しつつ冗談関係と忌避関係の定義や仕組みおよび機能を確認した。その上で、モンゴルの婚姻関係とそれに織り込まれた冗談関係の特徴や仕組みについて、フルゲン(=hurgen、婿)、ベル(=ber、嫁)と、姻戚同士であるホド(=hod、男性縁者)とホドガイ(=hodgai、女性縁者)の場合にわけて明らかにした。第3章では、モンゴル自治区東北ホルチン地域の三つの実例をあげた上で、モンゴルの婚姻関係に織り込まれた冗談関係とその機能について論じた。その際に、(1)女性の姻族関係とその機能、(2)男性の姻族関係とその機能、(3)姻戚同士であるホドとホドガイの機能のそれぞれについて言及した。結論では、以下のことを指摘した。モンゴル社会では、婚姻関係に「冗談関係」と「忌避関係」がワン・セットになって織り込まれていて、親族関係を円滑にしている。モンゴル社会における冗談関係の特徴は、次の三つである。第一は、婚入女性と夫の一族の上位世代の男性との間では、忌避関係が設定されているのに対して、夫の年下のキョウダイとの間、および夫の姉妹の配偶者とは年齢に関係なく、冗談関係が成立している。第二に、婚入女性と比べて男性は、姻族において、妻の年下のキョウダイとの間、および妻の出自集団に婚入した女性との間では、年齢に関係なく冗談関係が成立するが、極端な忌避関係は見られない。第三は、婚姻関係にある姻族・姻戚同士の間では、同一世代間だけに冗談関係が成立している。これらの具体的な事例として、モンゴル社会の日常生活における「冗談関係」と「忌避関係」に注目し、モンゴルの姻族・姻戚関係には、自分と同世代の姻族・姻戚同士の間では冗談関係が設定されていることにより、種々の危機を緩和し、万事を円滑に進行する役割を果たしていて、家族・親族関係の秩序を保っていることを明らかにした。}, pages = {65--80}, title = {モンゴルの婚姻関係に織り込まれた冗談関係 : 内モンゴル自治区東北ホルチン・モンゴルの事例を通して}, volume = {2}, year = {2012} }