@article{oai:senshu-u.repo.nii.ac.jp:00002037, author = {佐藤, 厚}, journal = {専修人文論集}, month = {Mar}, note = {筆者は前稿で,書道博物館(東京)に収蔵される養鸕徹定旧蔵の『華厳経疏』断簡(図・断簡A)が,実際には玄奘訳『摂大乗論無性釈』に対する注釈書であることを明らかにした。2017年,中国のオークションで清末の書画収集家・顧文彬旧蔵の『続華厳経疏』断簡(図・断簡B)が,日本円にして約3億円で落札されたが,この断簡も本来は養鸕徹定の旧蔵本である。その内容を検討してみると,これも玄奘訳『摂大乗論無性釈』に対する注釈であり,さらに書道博物館所蔵断簡の連れ本であることが判明した。すなわち養鸕徹定が『華厳経疏』とされる断簡の最初の所有者であり,一部が書道博物館に収蔵され,一部が養鸕と交友のあった中国人の金邠居(嘉穂)を経て顧文彬に渡ったということである。本稿はこの顧文彬旧蔵断簡についての研究である。 この断簡の内容は前半と後半とで異なる。前半部は書道博物館所蔵断簡に続く「増上戒学分第七」に対する注釈であるが,後半部は一つ前の「彼修差別分第六」に対する注釈である。これは巻子本を作る時に生じた錯簡によるものと考えられる。本研究の意義は,第一に,現伝していなかった『無性釈』に対する注釈書が,断簡ではあるが発見されたことであり,第二に,研究の進展により,中国唐代の仏教,特に摂論学派,唯識学派の研究に貢献する可能性があることである。}, pages = {277--308}, title = {撰者不詳「『摂大乗論無性釈』への注釈書」断簡(2) : 養鸕徹定旧蔵『華厳経疏』の実態 ; 顧文彬旧蔵断簡}, volume = {102}, year = {2018} }