@article{oai:senshu-u.repo.nii.ac.jp:00013050, author = {中島, 巖 and Nakajima, Iwao}, issue = {1}, journal = {専修経済学論集}, month = {Jul}, note = {生物分類学者たちは,自らをもランパー(lumper)とスプリッター(splitter)とに色分けし,分類を弄んで止まない。前者は,研究対象の標本間の類似点に着目,強調する姿勢をとるのに対し,後者は,相違点に着目,重視する。かかる言葉の起源は,19世紀半ばに遡るごとくである。 しかるに,標本間の極く極くわずかな差異も標本出現のあり様,したがって標本抽出のあり様によって,重要なそれと映ったり,あるいは圧倒的多数の類似点の中に埋没してしまったりする可能性は否定し得ない。換言すれば,かかる姿勢の差異が学者固有の資質によるよりむしろ当面の研究目的に基づくそれであると考えることができよう。新概念の導入を伴なう研究視野の拡充を企図するのであれば,スプリッターの姿勢が,より好都合なそれとなるかもしれない。 疫病感染研究においては,病原体の出現の逐次性が支配的であるため,極く極くわずかな染色体上の差も,圧倒的多数の類似性の中に埋没することなく新たな変異株として認識されるといった具合である。W.O.Kermack=A.G.McKendrickによる区画原モデルが逐次拡充されてきた事実は,その間の事情を物語る証しかもしれない。 以下では,スプリッター的姿勢の下に,ワクチン接種,加療を通じた感染制御のあり方をみた後,経済活動,生産活動の場からの退出による労働人口減を余儀なくする疫病感染を制御することにより最適労働人口が達成される過程をみる。 最適(労働)人口の概念は,最適経済成長の実現過程におけるそれに吸収されることを確認した上で,まず,疫病が存在しない局面において,人口成長率(および貯蓄率)を制御変数とする最適経済成長問題が解かれる。次いで,人口規模一定の局面と人口動態が考慮される局面において,それぞれ,加療率,ワクチン接種率を制御変数とする最適労働人口を含む最適経済成長が導く均衡体系のあり方が提示される。}, pages = {1--26}, title = {疫病感染制御と最適人口}, volume = {57}, year = {2022} }